AI画像生成の進化が止まりません。なかでも、OpenAIのChatGPTに搭載された新しい画像生成機能は、従来の常識を覆すほどの性能を持っています。文字で指示を出すだけで、日本語の漢字や複雑な構図まで正確に描写可能。これまで画像生成といえば「DALL・E」が有名でしたが、ChatGPTの進化により、両者の違いがより明確になってきました。本記事では、ChatGPTの画像生成機能の使い方や活用例をはじめ、実際の生成画像をもとにDALL・Eとの違いも徹底比較。初心者の方にもわかりやすく、今日から使える活用ガイドとしてご紹介します。
ChatGPTの新たな画像生成機能とは
2025年3月、OpenAIはChatGPTに新たな画像生成機能を搭載し、従来よりもさらに高性能なビジュアルAI体験を提供するようになりました。この機能は、最新の「GPT-4o」モデルに組み込まれており、ユーザーはテキストでイメージを入力するだけで、ChatGPT上で直接、クオリティの高い画像を生成できるようになっています。
以前は、画像生成といえば「DALL·E」などの別サービスを立ち上げる必要があり、ChatGPTとは切り離された体験でした。しかし今では、ChatGPTの中でテキスト入力と画像生成をシームレスにやりとりできるようになり、会話の中で画像を作るという全く新しいUX(ユーザー体験)が実現しています。
たとえば、ユーザーが「夕焼けの海辺でたたずむ猫」と入力するだけで、背景の色合いや猫の姿勢、海の波の感じまで含んだ繊細なイラストが数秒で現れます。これは、単なるイメージ生成を超えて、ユーザーの意図を深く読み取り、ビジュアルに反映させるAIの理解力の進化を示しています。
特徴1:自然なテキスト描画
これまでの画像生成AIでは、「画像の中の文字」がうまく描けないという課題がありました。看板やラベルなどのテキストは、意味不明な文字列になってしまうことも多かったのです。しかし、今回のアップデートでは、例えば「店の前に“今日のおすすめランチ”と書かれた黒板を描いてください」と指示すれば、きちんと読める文字として表現されるようになりました。
この点は、メニュー表や道路標識など、細部にこだわった画像を必要とする場面において非常に便利です。教材作りや資料作成、デザインの下書きなど、幅広いシーンで活用できます。

この画像のように、日本語の文字が完璧に表現されるようになりました!

特徴2:複雑な構成も指示可能
「左に子供が遊んでいて、右に犬が走っていて、背景は桜が咲く公園」など、複数の要素を含んだ複雑なシーンも自然に構築できるのがこの機能の強みです。以前のバージョンでは、プロンプトが長くなると構図が崩れたり、一部が省略されたりすることがありましたが、今では構成全体の整合性が高まり、精密なビジュアルを生成できます。
特徴3:会話しながら画像を修正できる
さらに驚くべきは、「画像の手直し」が会話形式でできることです。たとえば、「この画像、背景を夜にしてもらえますか?」「キャラクターの服を赤に変えてください」といった要望をチャット上で伝えるだけで、AIが新たなバージョンの画像を提示してくれます。
これは、まさに“AIと共創する”という新しい体験。イラスト制作が得意でない人でも、自分の理想とするビジュアルを対話を通じて形にしていくことができるのです。
画像生成機能の使い方:ステップバイステップガイド
ChatGPTの画像生成機能は、テキストで「こんな画像を作って」と伝えるだけで、AIが瞬時にビジュアルを作ってくれる便利な機能です。使い方はとても簡単で、誰でもすぐに試せます。ここでは、プランごとの違いにも触れながら、基本的な使い方をステップごとにわかりやすく解説します。
ステップ1:ChatGPTにアクセスする
まず、ChatGPT公式サイトまたはアプリを開いてログインします。
- 無料プランの場合:画像生成など一部の機能は制限付きで利用できます。タイミングによっては使えないこともありますが、条件が合えば高性能なGPT-4oベースの機能が一部使えるケースもあります。ただし、生成回数や処理速度に制限があり、安定的に使いたい方にはやや不向きです。
- Plusプラン(月額20ドル)以上の場合:画像生成や音声会話、ファイルアップロードなどの機能が安定して利用可能になります。基本的にGPT-4oを使えるため、精度の高い画像をすぐに生成できるのが特徴です。なお、連続使用などで一時的に制限がかかる場合もありますが、時間を空ければ再度使用できます。
ステップ2:プロンプト(指示文)を入力する
画像を作るには、ChatGPTの入力欄に「どんな画像を作ってほしいか」を文章で伝えます。この指示文を「プロンプト」と呼びます。具体的であればあるほど、希望に近い画像になります。
<例>
- 「春の桜並木を歩く着物姿の女性」
- 「宇宙で読書をする猫のイラスト」
- 「ハロウィンの夜、仮装した子どもたちが家を訪れる様子」
人物の人数、背景、雰囲気、時間帯などを細かく入れるのがコツです。
ステップ3:画像が生成されるのを待つ
プロンプトを送信すると、ChatGPTが数秒〜十数秒ほどで画像を生成して表示します。1回の生成で複数の案が表示されることもあります。
- 無料プランでは、タイミングによって「画像生成は現在利用できません」と表示される場合があります。
- Plusプランではスムーズに表示されますが、短時間に連続生成した場合は制限されることもあります。
ステップ4:修正リクエストも会話でできる
生成された画像に対して、「背景を夜にして」「キャラクターの服を青に変えて」などとテキストで伝えるだけで、ChatGPTが新しいバージョンの画像を作り直してくれます。イラストが苦手な人でも、AIと会話しながら理想の画像に近づけていけるのがこの機能の魅力です。
ステップ5:画像を保存して活用する
気に入った画像が表示されたら、画像の右上にあるメニュー(↓)「ダウンロードする」を選ぶと保存できます。保存した画像は次のような場面で使えます。
- ブログやSNSのアイキャッチ
- プレゼン資料やチラシ
- 学習教材や子どもの自由研究
- 創作活動(塗り絵・ZINE・LINEスタンプの元絵 など)
プラン別・画像生成の利用目安
プラン名 | 月額料金 | GPT-4o利用 | 画像生成機能 | 制限 | 利用の目安 |
---|---|---|---|---|---|
無料プラン | 無料 | ❌(画像生成のみ一部体験可) | 制限付き(不安定) | 回数制限・混雑時停止あり | 試しに使ってみたい人向け |
Plusプラン | $20/月 | ✅ 常時利用可 | 安定的に利用可能 | 高頻度で制限発生の可能性あり | 継続利用・創作活動におすすめ |
Proプラン | $200/月 | ✅ 無制限 | 完全開放 | なし | 大量生成・業務・研究利用に最適 |
画像生成機能でできること:活用例紹介
ChatGPTの画像生成機能は、単なる「お絵描きツール」ではありません。アイデアの可視化や資料作成、SNSの投稿用素材づくりなど、日常のさまざまな場面で役立つ便利なツールです。ここでは、具体的にどんな用途に使えるのかを、初心者でもイメージしやすいように、身近な実例とともにご紹介します。なお、基本的には著作権の制限はありませんが、生成された画像の利用にあたってはOpenAIのポリシーを確認し、第三者の権利を侵害しないよう注意しましょう。
① SNS投稿やブログのアイキャッチに
たとえば、旅行のブログ記事に「京都の紅葉」の写真を入れたいけれど、ちょうどよい画像が手元にない…。そんなときは、ChatGPTに「秋の京都、紅葉の寺院を歩く女性」というプロンプトを入力すれば、オリジナルのイメージ画像が数秒で生成されます。自分の発信内容にぴったりのビジュアルを作れるので、アイキャッチ画像に最適です。
② プレゼン資料やチラシのビジュアル作成に
プレゼン資料の中で、「理想的なオフィスレイアウト」や「未来的な都市空間」を視覚的に説明したいときにも便利です。文字だけでは伝わりにくいコンセプトを、画像で直感的に補足できます。たとえば、「木材とガラスを活かした開放的な会議室のイメージをください」と入力することで、イメージの共有もスムーズに。
また、地域イベントや教室のチラシを作る際、「子どもたちが遊ぶ公園のイラスト」や「ハロウィンの仮装パーティーの様子」といったシーンを生成して印刷物に活用することも可能です。
③ 教育・学習素材の制作に
学校や家庭学習でも、画像生成は大活躍します。たとえば、小学生向けの社会科資料で「奈良時代の暮らし」を説明したいとき、「古民家の中で食事をとる家族」といったビジュアルがあると、子どもたちの理解も深まります。動物の種類や世界の文化など、テキストでは伝わりづらい内容を視覚的に示すことで、学びが楽しくなるのです。
④ オリジナルグッズや趣味の創作活動に
趣味でイラストを描く人、ハンドメイド作家、ZINE(自主制作冊子)を作っている人にも、この機能はぴったりです。たとえば、「和風の猫のキャラクターを描いて」と入力することで、自分だけのマスコットキャラを作り、それをもとに缶バッジやシールを作成することもできます。
また、塗り絵の下絵や、LINEスタンプのデザイン案としても活用可能。想像力さえあれば、世界にひとつだけの作品づくりが誰でも楽しめます。
ChatGPT-4oとDALL・Eの画像生成を比較
画像生成AIの進化が著しい中、ChatGPT-4oに搭載された画像生成機能と、従来のDALL・Eシリーズの違いに注目が集まっています。今回は、実際に同じプロンプト「“猫”という漢字を習字で書く猫の写真を生成してください」で2つのAIを使い比べた結果を紹介しながら、両者の特徴と差をわかりやすく解説します。
実際の生成結果の比較


ChatGPT-4oで生成された画像(1枚目)
- 猫が筆を器用に持ち、見事に「猫」という漢字を習字で書いている様子。
- 書かれた文字が明確に「猫」と読める。
- 和室の雰囲気や畳、障子なども自然に描写されており、写真のようなリアリティ。
DALL・Eで生成された画像(2枚目)
- 猫の表情や雰囲気は可愛らしく描かれているが、筆の持ち方が不自然。
- 書かれている文字は漢字ではなく、文字の形が曖昧で、日本語として認識しにくい表現。
- 書道道具の形状や日本語表記にリアリティが欠ける印象。
比較から見えるChatGPT-4oの強み
- 日本語の文字が明確に読めるレベルで再現できる
DALL・Eでは難しかった日本語の正確な描写が、ChatGPT-4oでは自然な筆文字として表示されています。これは、高精度な文字レンダリングの進化によるものです。 - 構図が論理的で整っている
ChatGPT-4oでは、猫の姿勢や筆の動き、紙の配置などが論理的に整っており、まるで実際の写真のような自然さがあります。 - 文脈理解が深い
プロンプトに含まれる「習字」「猫」「漢字」「書く」という文脈をChatGPT-4oは的確に捉え、場面を成立させています。一方で、DALL・Eは要素のバラバラな再現に留まっている印象です。
生成速度の違い
両者の速度は、使用環境や混雑状況にもよりますが、体感としてChatGPT-4oの方がやや高速です。特に、会話の流れの中で画像を生成できる点が大きな利点。プロンプトを送ってから10秒以内に画像が表示されることも多く、テキストとの連動が非常にスムーズです。
一方、DALL・Eはスタンドアロンの生成AIとして使う場合、操作がワンステップ増えたり、画像の読み込みがやや遅く感じることもあります。
インターフェースと操作性
ChatGPT-4oでは、画像生成とテキスト会話が一つの画面で完結します。これは、画像を修正したいときに「もう少し明るくして」などの自然な言葉でやり取りできるという大きな利点です。
DALL・Eでは、修正やリビジョンを行うには新しいプロンプトを作り直す必要があり、マルチターンでの修正には不向きです。生成→修正→再生成という循環がしづらく、直感的な創作にはやや時間がかかる印象です。
比較表
ChatGPT-4oとDALL・Eの比較表
比較項目 | ChatGPT-4o | DALL・E(従来版) |
---|---|---|
日本語テキストの再現性 | 漢字なども正確に描写可能(例:「猫」という文字が読める) | 文字の再現が苦手、特に日本語は不明瞭な線になる |
構図の自然さ | 筆の持ち方や和室の背景など、構図が論理的で自然 | 筆や紙の配置がやや不自然になることがある |
文脈理解の深さ | 習字・猫・漢字という文脈を正確に理解し反映 | 要素は再現されるが、関係性が薄く場面として弱い |
生成の速さ | 約5〜10秒で画像生成(会話中でも即応) | 約10〜20秒ほどで生成(単発的なやりとり) |
操作性(修正・再生成) | 会話形式で細かな修正が可能(自然言語で対応) | 修正には再度プロンプト入力が必要 |
おすすめの用途 | 教材・資料・漢字表現を含むイラストに最適 | 雰囲気を重視したアート・デザイン案に向く |
今後の活用のヒント
- 日本語テキストを正確に描きたい人には、ChatGPT-4oが特におすすめ。
- 雰囲気重視のイラストやアート系の表現では、DALL・Eの柔らかい描写も依然として魅力的。
今後の展望と可能性
ChatGPTの画像生成機能は、現在でも非常に高機能ですが、今後さらに進化していく可能性が高いと言われています。生成AIの開発は日々進んでおり、今後数年で「イラストを描く」という行為そのものの概念が大きく変わるかもしれません。ここでは、技術の進化によって期待される展望や、社会への影響について考えてみましょう。
① よりリアルで高解像度な画像生成
現在でも十分美しい画像を生成できますが、今後はさらにリアルで高解像度なビジュアルが生成できるようになると予想されています。背景のディテールや人物の表情、物体の質感までも細かく描き分けられるようになれば、写真と見分けがつかないほどのクオリティになる可能性もあります。
これにより、広告・映画・ゲーム業界では、AIによるビジュアル制作が大きな役割を果たすようになるでしょう。制作時間やコストの削減にもつながり、個人クリエイターにも大きなチャンスをもたらします。
② アニメーションや動画生成との連携
将来的には、静止画だけでなく「動画」や「アニメーション」の生成も可能になると言われています。たとえば、「夕方の街並みを歩く猫のショートムービーを作って」と入力するだけで、数秒~数分の映像が生成される未来も、そう遠くないかもしれません。
OpenAIもすでに、音声合成や動画分野に力を入れており、マルチモーダルな生成AI(テキスト・画像・音声・映像を一体化したAI)の開発が進行中です。
③ 誰でもクリエイターになれる時代へ
ChatGPTの画像生成機能が一般に普及することで、これまで絵を描いたことがない人や、専門知識のない人でも、自由にビジュアル作品を作れる時代が到来しています。
「自分には絵のセンスがない」と思っていた人も、思いついたアイデアをそのままAIに伝えるだけで、美しいイラストやデザインを作ることができる。これは、創作のハードルを下げ、誰もが創造的な活動を楽しめる社会をつくる第一歩と言えます。
④ 倫理や教育分野での新たな議論も
一方で、技術の進化に伴い「これは本当にAIが作った画像なのか?」という判別が難しくなり、偽画像・フェイクニュースのリスクも高まる可能性があります。そうした懸念に対して、今後はAIが生成した画像であることを示す「透かし」や「識別情報」の付加なども導入されていくと考えられます。
また、教育分野では、AIを「答えを出す道具」ではなく「思考を深めるきっかけ」として使うための指導法が求められていくでしょう。
ChatGPTで生成された画像は、OpenAIの方針により、法律を守り、他者に損害を与えない範囲で自由に活用することが認められています。これは商用利用も含まれると広く解釈されていますが、OpenAIが商用利用を明示的に許可しているわけではありません。
また、生成されたコンテンツに関する著作権はOpenAIが主張しない一方で、第三者の権利(肖像権、商標権、著作権など)を侵害しないことが前提です。
ご利用の際は、OpenAIの 利用ポリシー および 利用規約 を必ずご確認いただき、最終的な利用判断は自己責任でお願いいたします。
※当記事は情報提供を目的としており、法的助言を行うものではありません。必要に応じて専門家にご相談ください。
記事のまとめ
ChatGPT-4oに搭載された新しい画像生成機能は、単に「画像を作る」だけでなく、「意味を理解して、会話をしながらビジュアルを形にする」体験を可能にしました。特に日本語の文字表現や、複雑な構図の再現精度、修正の柔軟さなどは、従来のDALL・Eを明確に上回る点です。
今回のように「猫が漢字を書く」ようなシーンも、自然な文脈で違和感なく再現できるのは、テキスト理解に強いChatGPTだからこそ。これからの時代、画像生成は「誰でも使える創造のツール」として、ますます身近な存在になるでしょう。
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